体験談 高1年B君の場合(1/7)
1本の電話が入りました。
「高校1年生の息子が、学校へ行けなくなり、時々、“死にたい”と口走るようになりました」。
相談の予約をお受けし、数日後に母親が来訪されました。
息子さんは、小中学校のときは、優秀で手のかからないおとなしい子どもで、学校の先生も「何も言うことはありません」、近所の方々からも「いい子どもさんですね」と褒められながら年月を重ねてきたそうです。ただ気になった点は、家族で対戦ゲームを楽しんだとき、彼は負けると泣いたり、怒ったりして感情をぶつけてきたそうです。
高校は、塾の先生の後押しもあって、県外の進学校に合格。寮生活でのスタートでした。しかし、1年生の7月ごろから遅刻をし、生活が不規則になり欠席も増え、9月には完全に不登校になりました。その後自宅に帰ってきたものの、「死にたい」と時々訴え、自室に閉じこもってドアや床をたたいたり、暴言も吐くようになりました。
「原因やきっかけについて思い当たることはありませんか、また担任の先生などから聞かれていませんか」と母親に問うと、寮の部屋のベッドの上下階を決めるときに友人とトラブルになったこと、授業のスピードについていけなくなり、校内外のテストの結果にショックを受けているみたいですと話されました。